施工管理技士の資格とは？
施工管理は、さまざまな専門分野の人が働く建設現場で、工事が安全かつ計画通りに進むよう工事全体を管理する仕事。資格がなくてもできますが、「施工管理技士」という国家資格があります。
人材不足が課題となっている建設業界のなかでも、とくに不足しているといわれるのが「施工管理技士」の有資格者。高いニーズがあるため、これを取得しているとキャリアアップや転職にメリット大！
ここでは、押さえておきたい資格のポイントをご紹介します。
「施工管理技士」はなぜニーズが高いのか？
建設業法では、各営業所に「専任の技術者」を配置すること、各建設工事現場に「主任技術者」または「監理技術者」を配置することが定められています。これらの人材がいなければ、建設会社は工事をすることができません。
そこで、求められるのが「施工管理技士」の資格保持者なのです。
「施工管理技士」は１級と２級に分かれています。
２級を取得すれば一般建設業の営業所における「専任の技術者」、各現場に配置される「主任技術者」になることができます。
１級は、2級の範囲に加え、特定建設業の営業所における「専任の技術者」、各現場に配置される「監理技術者」として認められます。
つまり、建設許可に必要な技術者要件を満たすことができるのが「施工管理技士」。だから、業界ニーズが高くなるわけです。
さらに、企業にとっては経営事項審査で加算されるというメリットがあります。
経営事項審査とは、企業の経営状態や経営規模、技術力について行われる客観的審査のこと。公共工事の入札に参加する場合は、必ずこの審査を受けなければなりません。この際、施工管理技士は技術力評価として1級で5点、2級で2点として加算されます。ですから、施工管理技士の有資格者は業界では引く手あまたな存在なのです。
施工管理技士の資格は７種類
「施工管理技士」の資格は、工事の種類によって「建築、土木、管工事、電気工事、電気通信、造園、建設機械」の7種類に分かれています。
〔建築施工管理技士〕
住宅やマンション、ビル、商業施設など建物を新築・改修する際に建築工事の施工管理を行う技術者の資格です。
〔土木施工管理技士〕
トンネルやダム、道路、河川、上下水道といった主にインフラ設備など土木工事の施工管理を行う技術者の資格です。
〔管工事施工管理技士〕
空調設備、ガス配管設備、浄化槽などの配管工事の施工管理を行う技術者の資格です。
〔電気工事施工管理技士〕
変電・送電設備、照明設備などのさまざまな電気工事の施工管理を行う技術者の資格です。
〔電気通信工事施工管理〕
モバイル通信の基地局設置や電波障害の解消、インターネットの工事施工管理を行う技術者の資格で、2019年に新設されました。
〔造園施工管理技士〕
緑化工事や学校、公園、道路、遊園地などの造園工事を行う技術者の資格です。
〔建設機械施工管理技士〕
機械を操縦する資格とは異なり、建設機械を使う建設現場で施工管理を行う技術者の資格です。
受験には実務経験が必要
「施工管理技士」の資格は１級、２級ともに第一次検定（マークシート）と第二次検定（自由記述式の筆記試験）があります。このふたつの試験を合格することで「施工管理技士」の称号が与えられます。
2級第一次検定は試験実施年度において満17歳以上であれば受験できますが、２級第二次検定～１級第二次検定を受験するには実務経験が必要となります。
必要な実務経験年数は、大学や高等学校、専門学校などで指定学科を卒業した人とそれ以外とでは異なります。指定学科卒業以外の人は、まずは2級の建築施工管理技士を取得し、実務経験を積んだ上で１級を狙うのが近道でしょう。
また、2021年度から、１級２級ともに第一次検定に合格すると「施工管理技士補」という新しい資格を得られるようになりました。
「1級施工管理技士補」の有資格者は、「監理技術者（1級施工管理技士）」の補佐業務を行うことができるため、「施工管理技士」に次いで注目される資格になりそうです。
年収アップを狙える！
「施工管理技士」の資格をもっていると、基本給が上がったり資格手当が支給されたりするケースも多いです。
施工管理の仕事に就職、転職を考えている方は、資格取得をキャリアプランのマイルストーンにしてみてはいかがですか
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